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BIツールを活用して、経営課題を見える化する

BIツールとは何か

売上データ・ウェブアクセスデータ・アンケートデータ・会員登録データ・在庫データ・顧客データ、、、など、現在の経営環境では日々多様なデータと向き合うことになります。

これらの多種多様なデータを、全てリアルタイムに(もしくは限りなく加工のコストを少なく)抽出するには、Excelだけでは非現実的です。毎回、データを加工してレポートを作成する必要があります。また、扱えるデータ量も、BIツールの方が大量データを扱うことができます。

BIツールには、データを(加工作業なしで)グラフ化して分かりやすく表示してくれる機能が備わっていますので、データを簡単に可視化することができます。

また、多様なデータを同時に、簡単に取り込むことができます。ウェブアクセスデータや基幹システムにある売上データや在庫データ、顧客管理システムにある顧客データなどを集約して扱うことができます。

これらをひとつのダッシュボードとして確認することができるため「今現在の経営状況はどうか」「どこかに問題が発生していないか」などを視認することができます。

また、これらは一度取り込み定義を作成すれば、あとは自動的に取込処理を行うことができます。つまり、逐一データ加工作業を行う必要がなく、常に最新のデータを確認することができます。レポーティングの必要がなくなるわけです。

BIツールを扱ううえでの注意点

では、BIツールを導入すれば、経営課題をすぐに抽出できるかというと、、、残念ながらそう単純な話にはなりません。

「BIツールを導入すれば簡単にデータが見られるようになる」「BIツールがあればすぐにチーム全員が有益なデータを得られるようになる」といった文言には要注意です。BIツールはあくまでもデータ解析を補助するツールです。それ自体が解決策にはなりません。

・単一種のデータを解析するのであれば、Excelのほうが良い

BIツールが本領を発揮するのは「多様なデータ」を「リアルタイム(に近い状態)」で確認したい場合です。単一のデータを、ある程度のタイムラグを許容した状態で確認したい、あるいは解析したいということであれば、間違いなくExcelのほうが便利です。

BIツールは加工処理対象をデータの塊として捉えます。一方、Excelは一つ一つのセル(一つ一つの値)に対して加工処理を行うことができます。これは、ミスを誘発するというリスクもありますが、反面、非常に自由度が高くかつ柔軟にデータを取り扱うことができます。

また、Excelであれば扱える人もたくさんいるため、新たなスキルを習得する必要もありません。

BIツールの導入は、扱うデータはどういったものか、また、それをどのように活用したいのかによって検討するべきです。

・データ解析に関する知識を持つ人材が必要

BIツールを導入すれば、データを視覚的に捉えやすくなり、それをチーム全員で即時に共有することができます。これは非常に強力で、経営改善に大いに役立つケースがあります。

ただ、注意しなければならないのは「そのデータは何か」「どんなデータを見ているのか」についての正しい理解が必要となります。

Excelとは違って、BIツール上では細かな数値データは後ろ側に隠れ、ユーザーにはグラフが表示されることになります。従って、誤ったデータを見ていたり、また、データ自体は正しいものの誤ったデータの見方をしている場合、データに関する知識がなければなかなか問題に気付きにくいという欠点があります。グラフを見ているうえでは「それっぽい」データであっても、実際に数値に立ち返ると全然違う種別のデータを見ていた、というケースがあります。

こうした場合、やはりデータに関する知識が必要です。

ひとつは、データそのものに関する知識です。正しいデータを見ているかどうか、という知識で、言い換えれば業務に関する知識とも言えます。現場の方ならすぐにわかりそうなことであっても、ダッシュボードを見ている経営層や、実際の現場業務から離れたチームでBIツールを使用している場合、グラフ形状だけでは異常に気付かないこともあります。それが何のデータか、そしてその扱いは正しいものかを見極められる知識が必要です。

もうひとつは、データ解析に関する知識です。統計に関する知識とも言えます。データは正しいものであっても、誤った捉え方をしてしまうケースがあります。例えば顧客別の購入回数を分析する場合などは、明らかに通常の顧客とは異なる購入頻度を持つデータは外れ値として除外しなければなりません。(業者などがまとめ買いをしているケースなどです)こういった場合に、外れ値を除外することなく分析を進めると、全体の平均購入回数が誤った数値になります。外れ値を自動除外してくれたり、外れ値を示唆してくれるツールもありますが、そのようなケースでも「それが何を意味しているか」を理解しておく必要があります。

・潜在的な課題抽出には、やはりデータを深堀りしていく必要がある

BIツールはデータを視覚的に捉えるには、非常に有益なツールです。ですが、グラフなどを眺めていると「なんとなく分かったような感じ」という状態になってしまうのも事実です。

単純な売上の推移や、顧客数の推移などはグラフからも分かります。しかし、そういった分かりやすい課題ではなく、潜在的な課題のほうがむしろ重要です。これらは単純なグラフでは抽出しにくいものです。

複数のデータを関連付けて新たな角度から分析したり、新たにデータ加工を行う必要があります。普段見ているデータに加えて、そこからもう少し「深堀り」していく必要があります。もちろん、BIツールがこの作業を大幅に軽減してくれることはあります。特にデータの関連を見るには非常に有益です。ですが、これもやはりデータ解析に関する経験がある程度必要になります。ツールは補助してくれますが、そこから本当の課題を抽出するには、まだ人の力が必要となります。

このように、BIツールを導入すればすぐにどのようなケースであっても有益なインサイトが得られるというわけではありません。あくまでもデータ解析を補助するツールです。

データ分析をチーム内で行いたい場合には、ツールの力を過信しすぎず、地道に人材を育成していく他ありません。

逆に言えば、データ人材を育成するためにも、BIツールが有用であると言えます。データを常に横断的にみられるような環境が日常的に用意されていれば、あとは少しの訓練でそれらを扱えるようになるはずです。普段から「データをみて意思決定する」という習慣がある組織であれば、そのスペシャリスト養成は、それほどハードルの高いものにはなりません。組織文化としてデータの重要性を認めていけば、自発的にそれを学ぶ動きが出てくるはずです。

BIツールに限った話ではありませんが、結局はやはり「人」が重要です。それを理解したうえでツールを使っていくことが重要となります。

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