BIツールの種類と特徴

BIツールは現在、様々な企業が参入して百花繚乱といってもいい状態にあります。それだけに、どのツールを選べばよいのか非常に分かりにくい状態です。ツールの種類によって得手不得手が存在しますので、ニーズに合わせたBIツールの選定が重要となります。
大きく分けて2つの種類がある
BIツールには現在、
- セルフサービスBI(一般的なBIツール)
- BIプラットフォーム
という2種類が存在します。
一般的にBIプラットフォームのほうが高機能です。BIプラットフォームは、DWH(データウェアハウス)の機能を内包しており、一般的なBIツール(以下、BIツールと呼びます)が持っていない「データの蓄積機能」があります。
BIツールには「データの取り込み」という作業が発生します。各種のDBやAPIへ接続し、データを取得する作業になります。そして、データ取り込み後には、データを整形してツール上で扱いやすくするという作業も併せて行うことになります。
多くの場合、これらの取り込み作業は、新しいデータ種別を初めて扱う場合に行い、次回データ更新時には自動的に新しいデータを扱えるようになります(BIツールによってこのあたり動作は異なります)
データを取り込んだ後は、旧来のBIツールやExcelでデータ処理を行う場合と比べて、非常にスピーディーに視覚化できるため、データから知見を得て行動につなげるには非常に強力なツールとなります。
ですが、どうしてもデータ取り込み処理が発生します。多様なデータを扱う場合には、これらのデータ取り込み作業がデータ種別分発生することになり、こうした処理がボトルネックになってしまう可能性があります。
また、そもそもBIツールの操作方法が分かりにくい場合もあり、データとしては多様なものを活用できる状態であるにもかかわらず、上記のようなボトルネックが原因となって、それをBIで確認できないという状態に陥ってしまうこともあります。
BIプラットフォームはDWH(データウェアハウス)の機能を備えており、多様なデータを集約・蓄積することができます。このDWHからデータをリアルタイムで取得し、レポートを作成するため、データ取り込み作業が必要ありません。
また、データ種別ごとにコネクタ(接続のためのテンプレートのようなイメージです)を持っており、データ加工を行うことなくレポート作成が可能です。
一般的に、BIプラットフォームのほうがコストがかかります。ただ、データ加工のコストを回避できるため、多くのデータをリアルタイムで確認したい場合には有力な選択肢となります。
BIツールにもそれぞれ特徴がある
BIプラットフォーム以外の一般的なBIツールについても、それぞれ特徴があります。
料金面での違い
Tableau、PowerBI、Actionista!を価格面で比較すると以下のようになります。
それぞれ、データ共有を行う場合に、上位ライセンスが必要となります。
PowerBIは最も安価ですが、2019年現在では最もGUIが複雑で、使いこなせるまでに時間がかかる傾向があります。無料版(デスクトップ版)も存在していますが、こちらはウェブ上にアップして共有することになるため、機密情報を含むデータの場合にはPro版を使用することになります。
Actionista!は初期費用としては最も高額になります。ただ、一般的なBIは基本的にユーザー毎課金であり、これがネックとなり全社的な展開が難しいケースもあります。様々なBIツールが乱立したり、データ定義に差異が生じたりといった事態を回避するにはActionista!のように集中管理ライセンスによって全社一括導入を検討したほうがかえってコスト削減につながる場合もあります。
Tableau
デスクトップ版(個人使用版)
102,000 円/年間(1ユーザーあたり)
チーム版(Tableau Server)
102,000 円/年間(1ユーザーあたり)
→分析可能なライセンス
51,000 円/年間(1ユーザーあたり)
→分析されたものを共有したり、切り口を変えて閲覧することが可能なライセンス
18,000 円/年間(1ユーザーあたり)
→分析されたデータを閲覧するライセンス
PowerBI
無料版
データの分析が可能
(共有も可能ではあるが、誰でもアクセス可能なURLを発行して共有することになる)
Pro版
1,100円/月(1ユーザーあたり)
データの分析および共有が可能
Premium
約551,000円/月
クラウドコンピューティングが可能
Actionista!
820万円/1サーバーあたり